こんにちは、看護師パパのパパケンです。
僕は通信制大学で災害看護を学んだことをきっかけに、「いつかDMAT(災害派遣医療チーム)として現場に立ちたい」と本気で思うようになりました。
でも、決意した当初、最初に感じたのは正直これでした。
「…で、具体的に何からやればいいんだ?」
DMATは、憧れや気合だけでなれるものではありません。必要なのは、選抜されるために現実的な準備と戦略的なキャリア形成です。
この記事では、耳鼻科の一般病棟勤務だった僕が、DMATを目指すと決めてから「実際にやった3つのこと、やろうと決めたこと」を経験ベースで包み隠さずまとめます。
これからDMATや災害・救急分野を目指したい看護師さんの、最初の「地図」になれば嬉しいです。
① 自分に足りない知識・経験を整理した
まず最初にやったのは、自分の「夢」と「現実」のギャップを直視することでした。
DMATと聞くと、こんなイメージがありますよね。
- 緊迫した災害現場
- 瞬時のトリアージ
- 救急・超急性期の対応
- 高度なチーム医療
- かっこいい
一方で、当時の僕は耳鼻科の一般病棟で勤務していました。
誤解しないでほしいのですが、一般病棟の経験が決して無駄なわけではありません。患者さんとのコミュニケーションや基本的な看護技術は、どの分野でも通じる土台です。
でも、「DMATを目指す」というゴールから逆算すると、圧倒的に足りないものが多いのも事実でした。
僕がノートに書き出した「足りないもの」
- 災害医療・救急医療の専門知識
- 外傷初期対応のスキル(JATEC, JPTECなどの概念)
- 心肺停止・重症患者への急変対応経験
- 多職種・多機関との連携経験
- 超急性期の現場での判断力
こうして書き出して整理すると、「今やるべきこと」がかなり明確になります。
「いきなりDMATになろうとするのではなく、段階を踏む必要がある」と気づけたのが、僕にとっての大きな第一歩でした。
【重要】DMATになるための現実的な要件
「気持ちがあればなれる」わけではないのがDMATです。厚生労働省が定める明確な要件があります。ここを勘違いして走り出すと、後で「条件満たしてなかった!」となりかねません。
日本DMAT隊員養成研修の受講要件
DMAT隊員になるには、厚生労働省主催の「日本DMAT隊員養成研修」を修了する必要があります。その受講要件は以下の通りです。
- DMAT指定医療機関(または災害拠点病院)に所属していること
※これが大前提です。自分の病院が指定されているか要確認! - 20歳以上65歳未満であること
- 応募職種としての実務経験を2年以上(初期臨床研修期間を含む)有すること
- 医療法上の「災害・感染症医療業務従事者」としての登録に同意していること
特に注意したいのが「実務経験」です。要件上は「2年以上」となっていますが、実際の現場や研修では、災害時の過酷な環境下での活動が求められます。
そのため、「実務経験5年以上」や、救急・ICUなどでの経験がある程度あることが望ましいとされています。
つまり、新卒ですぐになれるものではなく、看護師としての基礎体力をしっかりつけた上で目指すプロフェッショナルな領域だということです。
② DMATを見据えて資格を取得した(資格完全ガイド)
資格は「目的」ではなく「土台づくり」です。
「この資格さえあればDMATになれる!」という魔法の資格はありません。
しかし、DMAT隊員や救急・災害分野で共通言語として求められる資格(コース)は確実に存在します。
僕が実際に調べ、取得を目指した資格を整理しました。アルファベットばかりで混乱しがちですが、それぞれの違いを理解することが大切です。
1. 外傷対応の資格(JPTEC / JNTEC / ITLS)
災害現場では外傷の対応が必須です。
| 資格名 | 内容と特徴 |
|---|---|
| JPTEC Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care | 定番 日本の病院前外傷処置ガイドライン。 主に救急救命士や消防隊員向けですが、看護師も受講可能。災害現場やドクターカーなど「病院の外」での活動を目指すなら必須級の知識です。 |
| JNTEC Japan Nurse Trauma Evaluation and Care | 推奨 看護師向けの外傷初期看護コース。 JPTECが「病院前」なのに対し、JNTECは「搬送されてきた患者さんへの看護」に重点を置いています。救急看護経験2年以上が推奨されます。 |
| ITLS International Trauma Life Support | 国際 国際的な病院前外傷処置教育訓練コース。 JPTECの国際版のような位置づけで、世界標準のスキルを学べます。Basic(基本)、Advanced(上級)、Pediatric(小児)などのコースがあります。 |
2. 心肺蘇生・急変対応の資格(BLS / ACLS / ICLS)
心停止などの急変対応スキルです。
| 資格名 | 内容と特徴 |
|---|---|
| BLS 一次救命処置 | 必須 心肺蘇生とAED。救急分野では「息をするようにできて当たり前」のレベルが求められます。AHA(アメリカ心臓協会)公認コースが一般的。 |
| ACLS 二次救命処置 | 推奨 心停止対応に加え、重症不整脈、急性冠症候群、脳卒中などを含めた高度な蘇生処置。AHA公認。ICUや救急外来では評価されやすい資格です。 |
| ICLS 日本救急医学会認定 | 推奨 「突然の心停止に対する最初の10分間」のチーム蘇生に特化したコース。 ACLSよりも心停止対応に集中して学べます。費用も比較的安価で受講しやすいのが特徴。 |
3. 災害・特殊対応の資格(MCLS / ISLS)
ここが混同しやすいポイントです!しっかり区別しましょう。
| 資格名 | 内容と特徴 |
|---|---|
| MCLS Mass Casualty Life Support | 災害 「多数傷病者」への対応を学ぶコース。 ICLSが「1人の心停止患者」への対応なら、MCLSは「災害時に大勢の患者がいる中でどう動くか(トリアージやCSCATTT)」を学びます。DMATを目指すなら非常に重要な概念です。 |
| ISLS Immediate Stroke Life Support | 専門 「神経救急蘇生(脳卒中)」の初期対応コース。 よく「外傷や敗血症のコース」と勘違いされますが、正しくは脳卒中(Stroke)です。救急現場では脳卒中疑いの患者搬送も多いため、アセスメント能力向上に役立ちます。 |
これらを全部一気に取る必要はありません。
まずはBLSとJPTECあたりから始めて、自分のステップに合わせて広げていくのがおすすめです。
現在、上記の中で自分が保有している資格は、BLS(インストラクター)、MCLS、ICLSです。なかなか、子育てしながらの資格取得は家族の協力は必須ですし、タイミングもあります、資格取得は思うように進みません😅
③ 環境を変えた(これが一番大事)
資格や勉強ももちろん大事ですが、僕の経験上、一番大きかったのは「環境を変えたこと」です。
1
一般病棟(耳鼻科)時代
ルーティンワークが中心。急変は滅多になく、心電図モニターを見る機会も少ない。「DMATになりたい」という想いだけが空回りしていました。
2
HCU(高度治療室)への配属
転職してHCUへ。環境が激変しました。
・急変が日常茶飯事
・医師との距離が近く、治療方針の議論が聞こえる
・多職種連携が当たり前の空気
3
(未来の目標)救急外来・DMATへ
現在はHCUで全身管理を学びながら、次はより「プレホスピタル(病院前)」に近い救急外来での経験を目指しています。
「知識として知っている」のと「現場で動ける」のは、天と地ほどの差があります。
もし今の環境で「DMATに必要な経験が詰めない」と感じているなら、DMAT指定医療機関への転職や、院内での救急部門への異動希望を出すことは、夢への最短ルートかもしれません。
(+α)焦らないマインド:DMATはマラソン
DMATを目指すと決めると、すごい経歴の先輩や、バリバリ活躍している同期を見て、つい焦ってしまいます。
僕もそうでした。「自分なんてまだまだだ…」と落ち込むこともあります。
でも、DMATは短距離走ではなくマラソンです。
- 今できる勉強を積み重ねる
- 比べるのは他人じゃなく「昨日の自分」
- 焦らず、でも着実に環境と準備を整える
これこそが、結果的に一番の近道だと信じています。
2年以上の実務経験が必要なのも、それだけの「準備期間」が必要だというメッセージです。焦らずいきましょう。
まとめ|DMATを目指すなら「現実的な一歩」から
僕が実際にやったことは、以下の3つです。
- 足りない知識・経験を整理する(夢と現実のギャップを知る)
- 目的を見据えて資格を取る(JPTEC, BLSなど土台作り)
- 災害・救急に近い環境に身を置く(一般病棟→HCUへ)
もし今、「DMATに興味はあるけど、何から始めればいいか分からない」と感じている看護師さんがいたら、まずは「現状の整理」から始めてみてください。
そして、自分の病院がDMAT指定医療機関かどうかもチェックしてみてくださいね。
📢 読者の皆さんへ
DMATや救急分野の資格について、もっと詳しく知りたいことや不安なことがあれば、ぜひコメントで教えてください。逆に、すでにDMATで活躍された、されている方からの目線でも、ご指摘やアドバイス頂けたらかなり嬉しいです。
一緒に、遠回りでも確実に前に進みましょう🏥✨
記事を読んでいただきありがとうございました🙇
パパケン